東京の地理についてあまり詳しくない方からすれば、下北沢ならよく聞くけど上北沢ってどこ?となることでしょう。
上北沢は、下北沢よりももう少し都心から離れた場所にある、京王線沿線の駅です。
小田急線の様々な電車が止まり、独自の文化が構築されているともいえる下北沢に対し、上北沢は特に大きな特徴があるわけはありません。むしろ、非常に落ち着いた住宅街です。
目立って特筆すべき名所がある、というわけではないですがそれだけに穏やかに日常を過ごすことができるかもしれないこの街、上北沢を今回はご紹介します。
上北沢ってどんなところ?
上北沢駅は、京王線の沿線の中でもかなり杉並区寄りですが、住所は世田谷区です。八幡山駅は一部が世田谷区で、杉並区に分類される場所もあるようですが、一つ先の上北沢駅も世田谷区と言われると、改めて世田谷区の広さを感じますね。
京王線沿線の駅の中でも各駅停車しか止まらない駅で、同じ状況の芦花公園駅同様にほぼ住宅街のなかに存在する駅と言ってもいいでしょう。
駅のすぐそこにはアパートや家がもう見えてきます。街の中に駅がある、そんな印象すら受けます。
交通アクセス
上北沢駅は「各駅停車」のみの停車です。お隣の桜上水駅は「急行」「区間急行」「快速」が止まりますので、お急ぎの場合はそれらを利用することになるでしょう。
ただし、上北沢くらいまででしたら新宿からはさほど遠くなく、13分ほどで到着します。
各駅の電車はおよそ10分に一本程度。厳密にはもう少しまばらですが、それくらいと考えて差し支えないでしょう。
よっぽどお急ぎでなければ、各駅だけ利用して特に不便はないと思われます。
バスもあるにはあるのですが、上北沢駅周辺のバス停から迎える駅は「八幡山」「浜田山「高井戸」のみです。「八幡山」は同じく京王線の駅、しかも隣駅ですし、「浜田山」「高井戸」もまた京王井の頭線の駅ですので、バスに乗ってこれらの駅まで向かうメリットはないでしょう。
他の鉄道会社への乗り換えはバスではできません。いざ京王線が運行停止してしまった場合は、隣駅または他の鉄道の駅まで歩くなりなんらかの方法で向かうほかありません。
運行の停止自体は滅多に起こることではないですが、上北沢に住もうとされるなら、職場や学校までの別ルートはあらかじめ確認しておくといいでしょう。
なお、両隣の駅まではそこまで遠いわけではありません。
八幡山駅からならJR/地下鉄丸の内線荻窪駅、小田急線経堂駅行きのバスが走っています。
かなりの時間歩くことになるかもしれませんが、上北沢駅からほぼ真南には小田急線・千歳船橋駅があるので、自転車を使うなりで活用できるかもしれません。
住環境
・家賃相場 (上北沢で一人暮らし想定)
駅から徒歩10分圏内・1R・20-25㎡で、だいたい6.5万~9.5万円が相場のようです。
同じ条件で他の駅周辺の物件と比べてもあまり大きく差はありません。
各駅停車しか停車しないという交通アクセスではありますが、ほとんど杉並区と言ってもいい立地となると、家賃相場も安くはないようです。
多少手狭で、いわゆる学生さんなどをターゲットにした賃貸物件はある程度数があるようです。学生さんと思われる方もちらほら見受けられます。
・住宅近辺
お店の類はほとんど駅周辺に集中しているため、おそらく上北沢のどのあたりに住んでも、近くにお店を見つけることは難しいかもしれません。ほとんど戸建住宅やアパートが並んでいます。
道路も道幅が広いところがあまりないため、やや家が密集している印象もありますが、夜道などはかえって家々が密集している方が安心できるかもしれません。
・どんな人がいるか、住んでいるか
もともとその地に住んでいるような方が多いのかなと思われます。
買い物客やお店の人同士で談笑している姿を見かけたり、慣れた足取りでお店に入っていく方がいたり、といったところで長くその地に根付いている印象の方をお見掛けします。
家賃相場も周辺と大きな変化はなく、立地的な条件を考慮しても、よほど自分に合った物件や勤務先などでない限りは意識的に上北沢に住もうと思われる方は少ないかもしれません。
ただ上記にもあるように地域どうしでなにか活気のある雰囲気を気に入ることがあれば、むしろ上北沢は魅力的な街なのかもしれません。
駅周辺
南口は駅からもう住宅街が見えるほどに、戸建て住宅やアパートが並んでいます。
個人経営と思われるお店はいくつかありますが、逆にチェーン店のようなお店や大きなお店はほとんどありません。
南口を出て踏切の方に向かうと、やや大きめの道があります。この道は自然に富んでおり見た目が良く、季節によっては素敵な景観になるものだと思われます。
北口には大きなスーパーやドラッグストア、チェーンの飲食店なども含まれる商店街があります。何かしっかり買い物をしたり、食事をする必要があるなら北口の経由が必要です
もちろん、南口に全く何もないということはありません。ちょっと買い足したいものがあるという程度であればコンビニもあるのでそこまで不自由するほどではないかもしれません。
北口の商店街を抜けるともう国道20号にあたります。大通り沿いになりますが、意外とお店は少なく、国道20号を横断した先もほとんど住宅街になっています。やはりお買い物は駅前が中心になることでしょう。
上北沢のちょっと気になるスポット
・世田谷区立将軍池公園
将軍というやや公園とはイメージが結びつかない名前が気になる公園ですが、世田谷区のホームページにて「ロケ地をお探しの方へ」といった内容で紹介されているくらいに広大なスペースや豊かな自然に恵まれている公園です。
将軍という名の由来は、付近の病院で「将軍」と呼ばれた患者さんが関係しているのだとか。
命名についてなにやら看板が立っているようです。確かめてみてはいかがでしょうか。
・上北沢区民センター・児童館
こういった区民センターなどの類はやや駅から遠い、というか街中にあるイメージですが、上北沢の区民センターは駅から徒歩5分程度と近いです。
区民センターで何をするのか、というように思う方もいらっしゃるでしょうが、会議室や音楽室を割安で提供してもらえるので、何か趣味などでスペースが欲しい方はぜひ活用してみるといいと思います。
児童館も併設されています。忙しいお母さんにとってはありがたい施設になることでしょう。
・あぺたいと 上北沢店
「両面焼きそば」を看板商品とした飲食店。お酒の用意もあります。
木造をモチーフにした店構えも味がありますが、上北沢店はご家族で経営されているようでアットホーム感がお店の内装から店員さんの雰囲気まで随所に感じられます。
看板商品の「両面焼きそば」は一度食べると癖になるほどクオリティが高く、独自の焼き方をされた焼きそばは、ほどよくぱりぱりしていて独特の触感がおいしい一品です。
トッピングも様々用意されており、両面焼きそば一品でも何度もリピートしたくなるお店です。
まとめ
電車は各駅停車しか止まらず、他の電車に接続できるバスもありませんが、新宿まではさほど遠くない。そして駅周辺にしかほどんど買い物はできませんが、代わりに穏やかな住宅街となっている上北沢。
ひょっとすると不便だと思われる方もいるかもしれませんが、逆にあまりごちゃごちゃした街は苦手だ、という方にはちょうど良くマッチする場所かもしれません。
新宿からはかなり近い、でも街はそうとは思えないくらいに落ち着いている。そんな街を理想としている方は、ぜひ上北沢に暮らすことも検討してみてください。